今回は、ライフプランニングとは何か、ライフプランニングを考える際に重要となるライフイベント、プランニングの進め方について勉強をしてみました。
ライフプランニングとは
ライフプランニングについて、ざっくりまとめると次のような内容になると思います。
ライフプランニングとは
結婚や子育て、住宅の取得、退職など人生のなかで起きる大きなイベント(ライフイベント)が起きるタイミングや、その時に必要になる資金をあらかじめ予測し、計画的に準備すること。
ライフイベントと3大必要資金
ライフイベントとしては、結婚や子育て、住宅の取得、退職などがあり、その中でも、子どもの教育、住宅の取得、老後の生活などに必要となる資金は大きく3大必要資金と言われます。
3大必要資金
- 教育資金(子どもの教育のための資金)
- 住宅取得資金(マイホームの取得のための資金)
- 老後資金(退職後の老後の生活費、介護費用等)
なぜライフプランニングが必要なのか
ライフプランニングとは、一生のなかでどんなライフイベント(子育て、住宅取得、退職等)がいつ起きるのか、そのためにどのくらいのお金が必要なのかを予測して、それに備えて計画的にお金を準備することと言えますが、では、なぜ、ライフプランニングが必要なのかを考えてみました。
ライフプランニングが必要な理由
- お金のリスクをできる限り回避するため。
- 平均寿命が伸び、退職後の生活資金を計画的に準備しておく必要性が増している。
- 子どもの養育費、住宅購入など大きな支出に対応するため。
- 経済的な自立をし、自分の望む形で引退できるようにするため。
お金のリスクについて
あらかじめ想定されるライフイベントについては、どのくらいのお金が必要かはある程度予測することができますが、無計画に支出をしていると、お金に悩まされることになります。計画的に資金を用意しておくことによりリスクを回避できます。
一方、突然の失業、けが、病気、死亡などのライフイベントは、予測のしにくいリスクです。そういったリスクに対応するためには、日頃から生活防衛資金を蓄えていき、いざという時に備えておく必要があります。
「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という「パーキンソンの第2法則」というものがあり、あったらあっただけお金を使いたくなるのは人間の性のようです。
そのため、ライフプランニングをして、必要な資金を「見える化」することが必要です。必要な資金を把握することで、お金のリスクを回避するために、蓄財や資産運用へ意識が高まり、無計画な支出を回避するようになります。
お金のリスク
- 想定される資金は計画的に準備しておくことでお金のリスクを軽減できる。
- 不測のリスクに対応するため、生活防衛資金を蓄えておく必要がある。
- 意識しないと、支出の額は、収入の額に達するまで膨張していく。
- ライフプランニングは、必要な資金を「見える化」することで、蓄財への意識を高める。
現代人は昔より長生きをする
令和2年簡易生命表(厚生労働省)によると、日本人の男の平均寿命は81.64年、女の平均寿命は87.74年となっています。100年ちょっと前の、1900年頃の平均寿命が44歳ぐらいだったようです。そこから比べると、現在は、随分長生きするようになっています。
老後の期間が長くなるということは、退職して収入が減った後の生活のための資金を計画的に準備しておく必要があるということになります。
老後の準備には、自分や家族の介護費用の準備も考えていく必要があります。
子どもの養育費や住宅取得資金
子どもの養育費
文部科学省の「子供の学習費調査(平成30年度」から試算すると、幼稚園から中学校までの学習費は、全て公立学校に通った場合で約400万円、全て私立学校の場合約1,540万円ぐらいかかるようです。
また、日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査」によると、高校入学から大学卒業までに子ども一人にかける教育費用(入学・在学費用)は、942.5万円となっています。
ざっくりとした試算ですが、子ども一人の大学卒業までの教育費用だけで、1,400万円以上の費用が必要となることが予想されます。これに教育費用以外の養育費も加わるとさらに大きな資金が必要となります。
住宅取得資金
住宅の取得は人生の中でも大きなライフイベントです。いつ頃に住宅を購入するのか、そもそも、住宅を購入するのか、住宅を購入する場所、購入する住宅の価格などによって、資産形成や老後の生活など様々なライフイベントにも影響を及ぼしてきます。
引退後の生活
退職(引退)をして、給与所得などが無くなった後、生活をしていくためにはどのくらいの資金が必要かを考えておく必要があります。必要な資金は、月々の生活費をいくらぐらいに設定するか、公的年金をいくらぐらいもらえるかにより変わってきます。
老後生活の途中で資産が底をつきることがないよう、老後資金を計画に準備するとともに、ライフステージに合わせて支出の最適化を図る必要があります。
ライフプランニングの手法
ライフプランニングをする際に使うツールとして、ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人バランスシートがあります。
ライフイベント表
ライフイベント表は、将来のライフイベントとそれに必要な資金を時系列に沿ってまとめたもので、ライフイベント表を作成することで、家庭の将来の目標などを明確にするとともに、資金の必要となる時期なども「見える化」することができます。
キャッシュフロー表
キャッシュフロー表は、ライフイベント表と現在の収支状況、現在の貯蓄額などをもとにして、予想される年間収支はその時々にどのくらいあるか、ライフイベントに伴い、いつ頃どのくらいの支出が発生するか、貯蓄額はどのように推移するかなどを計画するための表です。
収入や支出は現状の収支を元に、収入であれば増加率、支出であれば物価上昇率などの変動率を用いて試算します。また、収入については、社会保険料や所得税、住民税を控除した可処分所得を用いることが一般的です。
個人バランスシート
個人バランスシートは、ある時点での資産がどのくらいあるか、また、負債をどのくらい抱えているか、資産から負債を差し引いた純資産がどのくらいあるかを把握するための表です。
- 資 産:現金、預貯金、株式、投資信託、不動産、マイカーなど
- 負 債:住宅ローン、カードローン、車のローンなど
- 純資産:資産額の合計から負債額の合計を引いた正味の資産額
まとめ
- ライフプランニングは、お金のリスクを回避するために必要な資金を計画的に準備するためのもの。
- ライフイベント表、キャッシュフロー表、個人バランスシートなどを整理することにより、将来必要となる資金を「見える化」することができる。
- リスク回避のために準備が必要な資金の額が分かれば、現在、どのくらい貯蓄をしておく必要があるかが明確となり、蓄財への意識を高めることができる。
2022-2023年版 みんなが欲しかった! FPの教科書3級 [ 滝澤 ななみ ] 価格:1,760円 |
価格:3,300円 |